湿度70%
八代の7月は酷しい。
いぐさはとても背が高い。
雨風で折れないように、網をかけて育てる。
手作業で網を外していく。
たくさんの赤とんぼがやってきた。
刈り取ったいぐさを束ねてくれる。
夫婦で分担作業。
赤くみずみずしい。
刈り取られたいぐさの乾燥を促進するために、泥につける。
古い畳表で包んで、日光から守る。
酷暑の中、さらに熱風の残る密室で乾燥して舞う泥。
確かに、過酷。
おじいさんも。かっこいい。
光で変色しにくくなる。
念を入れて乾燥後は光を通さない黒ビニールで包む。
乾燥待ち。
びっしりと泥に染まっている。
いぐさの長さをそろえる。
小気味良い機械音。
ここでも汗だくの作業だ。
念には念を入れて手作業で長さを確かめる。
いぐさが農作物から工業製品に変わる瞬間。
いわゆるゴザの状態。
畳表を“床”に縫いつける。
ついにゴール。
酷しく淡々とした作業のあとに、
たしかな笑顔がありました